損害賠償のリスク

ペットや子供がご近所さんにケガを負わせてしまったり自動車で隣の家の壁を壊してしまったり、不意の事故がいつ起こるか分かりません。

 

ごめんなさい、では済まないこともたくさんあって、損害賠償責任が生じます。どんなに気をつけて生活していても、いつ起こるか分からないのがトラブルです。

事故

 

責任の重さを感じて支払いする意思があっても、先立つお金がない場合はどうしたらいいのでしょう。

 

いざという時に備えて、損害賠償のリスクと支払えないとどうなるかを見ていきます。

 

誰もがケガをするリスクがあるのと同じように、誰かにケガをさせてしまう事態も考えられます。

 

いざ自分が加害者になって困ることがないように正しい知識を身に付けましょう。

 

 

損害賠償は相手に対する謝罪の気持ち

損害賠償とは、相手に対して何らかの損失を与えてしまったことに対する償いとして支払うものです。

 

交通事故で歩行者をケガさせてしまったり不注意で借りたものを壊してしまったり、あらゆるトラブルに付随して発生しうる支払い義務です。

 

意図的に起こした故意のトラブルだけでなく、偶発的な事象が重なって起こる過失であっても、損害賠償の対象とされます。

 

不可抗力で起こった避けられないトラブル以外では支払い義務が生じる可能性があり、「わざとではない」などの言い訳は通用しません。

 

損害賠償金額をいくらで交渉するかについて、明確な法律やルールなどはありません。たとえば交通事故を起こしたとき、4つの損害を追求される可能性があります。

 

積極損害:トラブルに巻き込まれたことが原因で入院、通院など医療措置が必用な場合には、ケア費用を請求できます。

 

消極損害:ケガなどが原因で働けない状態になったら、休んだ期間の逸失利益を請求できます。

 

慰謝料:トラブルが原因で精神的苦痛を抱えた場合、ストレスに対する損害賠償請求ができます。

 

物損:被害にあったときにバッグが壊れた、洋服が汚れたなど、物的損害に対する代償を請求できます。

 

積極損害や物損などの実質的な損害費用を補填すれば事足りると思われがちですが、より重い責任が問われるケースがあります。

 

慰謝料にあたる部分をどれだけ請求するかは個人の主観によるもので、客観的判断が難しいためです。

 

専門家に相談のうえ相場に沿った妥当な金額を導くことはできますが、相手が納得してくれない限り、お話が進みません。

 

お金の問題ではない、と言われてもどこかで折り合いをつけないと話が進まない以上、金銭的な謝罪で意思を示すより他ありません。

 

申し訳ないことをした、と誠心誠意謝罪した後にしかるべき対処を進めて、トラブル解決を目指していきます。

 

 

損害賠償が払えない状況とは

損害賠償は突発的な事故などで生じるもので、必用になる時期や金額を予測して準備しておくことができません。

 

万が一のトラブルに備えて余剰資金の蓄えがある方ならまだ余裕はありますが、まとまったお金を用意できないと大変です。

 

損害賠償に必用なお金を用意できない場合はすぐに支払いできないので、何らかの手段を考えます。

 

損害賠償を支払った後にも自分の生活は続いていくため、持っているお金の全てを支払いにまわすことはできません。

 

最低限の生活を維持できるお金を残しながら、支払い手段を考える必用があります。

 

損害賠償の支払いを放置すると

土地や預貯金、給与の一部などの差し押さえを受けます。

 

仕事についていない状態で預貯金もない状況なら、時計や装飾品など動産も対象です。

 

働いていない、差し押さえできる資産もないという状況なら「支払い能力がない」と言い張って賠償責任を免れることができる可能性もありますが、倫理面での葛藤があります。

 

明らかに自分が悪い状況で相手に被害を与えたときに、お金がないと言い張って、何も償いをしない決断はできるでしょうか。

 

少しでも資産を作ると強制執行を受けるリスクがあり、時効を迎えるまで落ち着かない日々が続きます。

 

アルバイト、派遣社員など非正規労働者はもちろん年金なども資産を作る手段とみなされて、支払い能力として換算されます。

 

通常の社会生活をしている方に対して「支払い能力がない」とみなされるケースは少なく、どうやったらお金を作ることができるか、誠意を持って考えましょう。

 

 

損害賠償から逃げ切るのは難しい

損害賠償にも時効はありますが、3年もしくは10年とかなり長めのスパンです。

 

時効を成立させるためには「払えない」と被害者にはっきり伝えて、音信不通状態になり、該当期間が過ぎるまで資産を作らず仕事もしないで過ごします。

事故2

 

資産が出来たことで相手が差し押さえなどを請求すれば、時効は中断して、時を待っても解決しません。

 

相手が該当期間に何も言ってこなかった場合には、時効成立となるケースもありますが、損害賠償が考えうる状況にあって対処しない被害者はごく稀です。

 

まとまった金額を請求されると自己破産を検討する方もいますが、悪意を持って起こしたトラブルに対する損害賠償請求権は残ります。

 

自己破産をしたとしても、支払い義務を免れることはできず、周囲に負担がかかります。

 

相手の人生を変えてしまうような重大な事故を起こせば、生活を維持するための費用や医療費など、高額損害賠償義務が生じる可能性が高くなります。

 

自己破産したとしても免れない支払い責任もあることを意識しておきましょう。

 

 

そもそも損害賠償から逃げ続ける態度は、被害者本人や家族など関係者に対して不誠実で、社会的信頼を失います。

 

やってしまったことは仕方がないにしても、何らかの形で謝罪するあり方が求められます。

 

被害者と話し合って分割払いにしたり一定期間猶予をもらったり、出来る限りの対応で納得してもらうことはできないか交渉しましょう。

 

損害賠償についてのやり取りが長引くのはお互いのためにならないため、あくまで一括払いが基本です。

 

分割払いはどうしても支払いできない場合の打開策として交渉する、変則的な手法と考えてください。

 

 

損害賠償が払えない場合の対処法

損害賠償がどうしても払えない場合、金融機関からの借り入れを検討できます。

 

用途自由のカードローンでまとまった金額を用意して、支払いをすませる方法です。

 

一定の利息はかかりますが、被害者に対して分割払いを打診するより心理的な障壁が低く、もめ事になりません。

 

損害賠償の金額にもよりますが、毎月コツコツ返していくスタイルなら家計に響きにくく、トラブル解決後の生活への影響が少なくなります。

 

必用な金額と毎月返済できる金額をはっきりさせて、カードローン会社に相談しましょう。

 

カードローンに抵抗を感じる方もいますが、担保や保証人無しで利用できる、使い勝手が良い金策手段と言えます。

 

損害賠償を親や兄弟に肩代わりしてもらうのは社会人として気がひけるものですが、自分の責任でお金を借りてコツコツ返していく方法なら、周囲に迷惑はかかりません。

 

借金の一種とは言うものの自己責任で借り入れする、独立性が高い借り方です。

 

 

事故を起こしてしまった事実は変わらないにしても、アフターフォローで相手の受け取り方が変わります。

 

不便をかけてしまったことに対して申し訳なく感じる気持ちを大切に、損害賠償の準備を進めましょう。

 

せっかくまとまったお話も、支払いが滞ると振り出しに戻るリスクがあります。

 

支払うべきものをきっちり払って気持ちを切り替えることが、相互のより良い将来につながります。

 

事件を後々までひきずらないためにも気乗りしない自分をふるい立たせて、今できる対応を考えましょう。